lavamanのブログ

備忘録も兼ねて適当に

T100TA その2

 実際にT100TAが届いて最初の感想は、想像していたよりずっしりとした重みを感じるというものだった。タブレット部の重量は550gとそれほどでも無いのだが、キーボードドック部分が520gもするのである。HDDを内蔵しているわけでもなく、USB3.0端子が付いているだけのキーボード部分がタブレット部とさほど変わらない重量があるというのはなかなかの重量感であった。しかし何の意味も無くただ重いわけではない。2in1タブレットPCであるが故にキーボードドック部分でタブレットPCの重量を支える必要に迫られてこの重量となっているらしく、実際ドックを分解して内部の鉄板を取り除けばかなり軽くはなるため自分も試してみたのだが、その状態でいざタブレットを接続すると重みに耐えきれずに転んでしまうのであった。キーボードを押さえつけながら打鍵するのはかろうじて耐えられてもマウス操作やタッチ操作時もキーボード部分を押さえつけ続けるといった使用方は現実的ではなかたっため、結局元に戻してしまった。

 

 性能面に関しては、メインの用途である艦これもデスクトップPCのようにヌルヌルサクサクと言うわけには行かないが、遠征作業やキラ付けのために1-1を周回する程度なら問題無く作動することもあり満足のいくものだった。ただし、メモリが2GBというのはやはり若干少なくスワップが頻発するためか、メインで使っているFirefox艦これ以外にWeb閲覧などをしているとつっかかりを感じる事が多かった。記憶領域のeMMCは古いHDDよりは軽快に動作するとは言え、普段はスワップなどほぼ起こらない上に、仮にスワップが発生してもeMMCより数倍早いSSDを搭載しているPCを利用している身としては気になる部分ではあった。この辺りは同時に複数の作業を切替ながら行っていると発生しやすいため、できる限り一つの作業に集中して切替動作を少なくすることで対処する以外にはなかった。

 

 記憶領域が32GBしかないというのはやはりかなり少なく、Web閲覧と艦これ程度しかしないためFirefoxATOKNortonくらいしかソフトウェアはインストールしていないにも関わらず最初から残り領域が10GBを割り込んでいた。もっとも、昨今はクラウドストレージも色々と選択肢があり無料でもあれこれ使えば数十GBの容量は確保できるしmicroSDカードスロットも搭載されいるため、仮にOfficeソフトをインストールして書類仕事にも使おうとしても記憶領域が無くて詰むというようなことはなかっただろう。余談ではあるが、当時大流行していたドラマ「半沢直樹」の名台詞にかけて「32GB倍返し!キャンペーン」という、32GBモデルのT100TAに32GBのmicroSDカードを付属するというキャンペーンをやっていたため、32GBモデルを買ってもT100TAの用途を考えれば保存領域の少なさで困る人はあまり居なかったであろう。

 

 T100TAのタッチパネルの精度に関してはそれほど気にならなかったが、そもそもWindows8自体がタッチ操作を念頭に置いて作られていると言いつつ、実際にタッチ操作だけで使いこなすのは不可能に近いレベルの出来であった。特に既存のアプリケーションを使う場合はタッチで操作することも可能ではあるものの、細かい部分でタッチ操作のみでは扱いづらい部分が多く結局マウスとキーボードを用意した方が快適なことが多かった。ではストアで提供されるタッチ操作向けのアプリケーションはどうかというと、こちらはそもそも絶対数が少ないことから使おうと思うようなものが見当たらないという有様であった。結局のところWindowsタブレットのポジションはiPadAndroidタブレットのそれとは違い、小回りの利く小さなPCでしかなくタッチ操作だけで気軽にWebの閲覧やカジュアルなゲームをプレイしたいといったライトユーザーに売り込めるような代物では無かったのだろう。

 

 用途が限定されるスペックのT100TAではあったが、ゼロスピンドルPCが4万円弱で買えたと言うことが個人的に衝撃を受けた。ゼロスピンドルPCとはその名の通りスピンドルがゼロ、回転構造部分が存在しないPCのことでり、PCにおけるスピンドルとはHDDやCD/DVDドライブのような記憶装置と冷却ファンのそれを指し、これらが搭載されないというのは10年ほど前には考えられないことであった。しかし高性能で安価なフラッシュメモリが普及しモバイル向けのCPUはファンを搭載せずに済むレベルの消費電力でもそこそこの性能を確保できるようになったこともあり、これらを採用したゼロスピンドルPCが市場に登場するようになった。しかし出始めは非常に高価なもので、更に性能も向上したとは言えやはりまだまだ通常のものと比べるべくもない低スペックのものであるにも関わらず安くとも10万円台半ばから30万円を超えるものも少なくなかった。EeePCなどの超々低価格路線のものも存在したが、メインの記憶領域は殆どOSが入るだけといったレベルのものであった上、先述の通りWebの閲覧すらかなりのストレスを感じるものでしかなかったため、T100TA等の3万円台から買えて実用的な性能を発揮するBay Trail搭載タブレットPCの登場は非常に衝撃的だったのである。