lavamanのブログ

備忘録も兼ねて適当に

 自分が住んでいる地域でも以前はもうちょっと頻繁に、それこそ年に1,2度くらいは靴の中までびしょ濡れになるレベルの雪が積もっていたのだが、ここ数年は薄らと積もるくらいで昼を過ぎるとそれも溶けて消えてしまう程度の積雪しかなく寂しく思っていたものだが、今日は大寒波が襲来して大雪になるという予報通り我が家の前も歩くと踝辺りまで埋まる程度の積雪となった。

 

 元々出不精なので普段からさほど出かけたりもしないし、今日も出かけなければならない用事もないのだが、いざ出かけないのではなく出かけられないとなると何処かへ行きたくなってしまうのは何故なのだろう。しようと思えば出来ることはしようと思わないのに、いざしようと思っても出来なくなるとしたくなるのは試験前に部屋の掃除や模様替えをし始める心理に似ているが、果たして何故人間の思考はそのような面倒臭い方向へと向かってしまうのだろう。

 

 今日のレベルの積雪自体は数年ぶりといったところだが、一つ初めて体験した事があった。水道管が凍結したのである。正確に言うと冷水は出るが温水が出ないという状態であったため、温水器に接続されている管が凍結したわけだから温水管が凍ったと言うべきであろうか。とにかく朝からお湯が出なかったため、朝食後の食器洗いや昨晩入った風呂場の掃除を凍り付くような冷水で行わねばならず非常に難儀した。外壁に這わせられている温水管にやかんで沸かしたお湯を掛けたり、内壁に這わせられている温水管の近くにストーブを置いて温めたりとしていたら先ほどなんとかお湯が出るようになってくれたが、普段何の気なしに蛇口から出しているお湯が出なくなるだけでこれほど焦るとは思わなかった。そして水道管が凍らないように蛇口から水は出し続けていたにも関わらず、まさか温水管の方が凍り付くというのも想像していなかった。

T100TA その4

 T100TAのキーボードドックを投げ捨てた理由はもう一つ、当初は気になっていなかったのか気付いていなかったのか分からないが、恐らくWindowsアップデートが原因でキーボードドックを接続したままだとスリープ状態にしていても異常にバッテリーが減るようになってしまったということである。キーボードドックと切り離してタブレット単体だと丸一日放置していてもスリープ状態であればバッテリー残量が10%減るか減らないか程度であるにも関わらず、キーボードドックを接続した状態でスリープ状態にさせていた場合ものの数時間でバッテリーが尽きてしまうのである。原因となったパッチを削除すれば収まるという情報もあったのだが、セキュリティアップデートであるためあまり推奨されないようだったので諦めて外付けキーボードを使う選択をしたのだった。

 

 マグレックス ウルトラスリム Bluetoothキーボード for Tablet  タブレットスタンド機構がT100TA用としては実用に耐えそうもなかったので別途タブレットスタンドを探すことにしたのだが、こちらはこれまでとは逆に選択肢が広すぎてどれを選ぶかかなり悩むこととなった。安い物だと100均一ショップにもタブレットスタンドは売られているし、高い物だと2千円台のものまで種類も様々であった。とりあえず失敗しても痛くない100均のものを買ってみたのだが、利用例の写真がiPadな割りにはやはり大きめなサイズのタブレットを支えるには少々力不足なようで、タッチ操作を行うとぐらぐらと揺れてしまう。さらに角度の調節があまり出来ないため気に入った角度にすることが出来ずお蔵入りになってしまった。大きめのタブレットも余裕を持って支えられてタッチ操作でもぐらつかず、角度も出来れば無段階調節が出来る物をと選んだのがサンワサプライのMR-IPADST9であった。T100TAを設置してタッチ操作を行ってもぐらつくこともなく、底部には大きめのゴムの滑り止めが付いているためちょっと触れただけで位置がずれてしまうようなことはなく、かと言ってちょっとずらしたいと思って意識的に押しても動かないと言うこともないため使い勝手が良い。角度は無段階調節出来るものの、使っているウチに緩んでひらきっぱなしになりはしないかと不安もあったが、確かに多少緩んでいくが勝手に開いていってしまうようなことはなかったし、六角レンチで開閉の強度を調節出来るので緩んだなと感じたら締めてしまえば良い。難点と言えば、折りたためば板状になるようなタブレットスタンドと比べると、折りたたんでも出っ張りがあるため少々嵩張るということくらいだろうか。

 

 T100TAを購入したときに持ち運び時収納するケースとしてELECOMの ZEROSHOCK ZSB-IB019BK を購入したのだが、これを使うことは殆どなかった。このケースは8.9インチ向けらしいのだが10.1インチのT100TAがすっぽり収まる点は良かったのだが、ただでさえキーボードドックを装着した状態では若干分厚く感じるところに更に厚みが増してしまうため鞄の中に入れるにはいくらなんでも嵩張ってしまうのである。キーボードドックを使わなくなったため再び引っ張り出してきて使おうとしたのだが、キーボードドックを外して薄くなったと思ったところなのにこのケースに収納すると今までよりも厚みが増してしまう事に気付いて辞めてしまった。

ELECOM ZEROSHOCK/UMPC対応インナーバック8.9インチワイドPC対応/BK ZSB-IB019BK

ELECOM ZEROSHOCK/UMPC対応インナーバック8.9インチワイドPC対応/BK ZSB-IB019BK

 

 

 前述のスタンドはそこそこ気に入っていたのだが、持ち運び時には荷物は極力減らしたかったため、スタンド機構が付きの専用ケースを購入することにした。まず初めに【TOYU】ASUS TransBook T100TA を購入したのだが、これは失敗であった。スタンド機構を使うと手前にカバー部分が出っ張ってきて、キーボードを設置したときの画面が遠くなってしまうのである。仕方が無いので次は出っ張りのない【F.G.S】ブラック Asus Transformer Book T100TA対応 ホルダー付き保護ケース を購入したが、こちらも気に入らなかった。スタンド機構を利用してもキーボードの配置は問題無いのだが、問題はそのスタンド機構だった。前面のカバーを後方へ折って背面に爪のようになっている部分に差し込んで引っかける仕組みなのだが、この爪の部分が堅く差し込むのに苦労するし、頻繁に使用する部分なのに縫製があまり良くはなくそれほど使わないうちに解れてしまうであろうことが容易に想像できるのである。三度目の正直で購入したのがIVSO オリジナル ASUS Transformer Book T100 専用スマートケース だった。これは見てのとおりiPad の Smart Case をパクった商品であり、前面のカバーを溝に沿って折りたたむだけでスタンドになる形式を採用しており今までのケースのような欠点はなかった。使ってみなければ気付かない点も多いが、安物とは言え安物タブレット用にケースで二回も失敗するのは少々痛かった。ただしケースのスタンド機構は MR-IPADST9 程の安定感が無く、タッチ操作をすると画面が押されてぐらついてしまうため、荷物を減らしたいとき以外は結局スタンドも持ち歩くのであった。

T100TA その3

 T100TAを購入してからというもの、ほぼ毎日外出先での艦これやWeb閲覧に利用していたのだが、やはりどうしてもキーボードドックの出来に不満が残った。所詮は4万円を切る価格帯の激安2in1タブレットであるため当然様々な部分でコストカットされているのは仕方が無いのだが、トラックパッドのクリック感がペコッといった感じで安っぽいを通り越してふざけてるのかと言いたくなるレベルであった。例えるなら古い家屋の土台がやせて、歩くとところどころ床がぶにぶにと沈むあの感触をトラックパッドで再現されているような感覚である。タッチパネル搭載ということもあってトラックパッドを積極的に利用する機会はなく、それこそ普段は機能そのものを切って作動しないようにしてはいたのだが、不意に触れて押し込んでしまったときの感触が実に不快だったのだ。

 

 また、だらだらと述べているように普段自分はJIS配列ではなくUS配列を愛用しているため、JIS配列の付属キーボードドックを投げ捨ててしまうこと決断を下した。そもそもT100TAはタブレットPCというだけあって本体自体は10.5mmとかなり薄く作られているのにも関わらず、キーボードドックは厚さ13.1mmと本体よりも分厚く、接続すると23.6mmと本体の倍以上の厚さになってしまい折角の携帯性がかなり損なわれるのであった。また、普段はタブレットとして本体だけで利用してキーボードが必要になったときにドックを接続して利用するなんて使い方をしようにも、キーボードドックのカタログ上の寸法は上記のとおり13.1mmであるが、これは恐らくキーボード部分の寸法であって実際にはタブレット本体との接合部が出っ張っていて収納するような機構も存在しないため、タブレット本体を外した状態でもタブレット装着時と変わらない厚みがあるので非常に嵩張って邪魔になってしまうのである。

 

 T100TAはキーボードドックにUSB3.0コネクタが一つ付いているが本体には充電用を兼ねたmicroUSB端子が一つ付いているだけなので、USBで有線あるいは無線どちらのキーボードも選択肢からは除外。そうするとBluetooth接続のキーボードを探すことになるわけだが、一昔前と違って昨今はiPadiOS向けのキーボードがUS配列テンキーレスが標準的なおかげか、詰め込み配列であることを妥協すればUS配列のキーボードの選択肢はそれなりに多い。その中から適当にどれかを選べば良いだろうと高をくくっていたのだが、これが大きな間違いであった。確かにUS配列のBluetoothキーボードの選択肢は少なくなかったのだが、キーボード最上段の通常F1~F12までのファンクションキーが配置されているべきはずのスペースが削られていたり、そこにボタン自体はあるもののマルチメディアキーだったり、かろうじてファンクションキーとしても機能するがFnキーと同時押しにしなければならなかったりと、組み合わせではなく標準でファンクションキーとして利用出来るUS配列のBluetoothキーボードは皆無だったのである。

 

 個人的にはファンクションキーはF7~F10まではカナ、半角かな、英数、半角英数といった変換に多用する上、F1~F4をFirefoxのタブ操作に割り当てているため、これらを一発で入力できない仕様というのは正直耐えられない。結局探し回ってなんとか発見したのがマグレックス ウルトラスリム Bluetoothキーボード for Tablet であった。このキーボードはその名の通りタブレットPC向けのBluetoothキーボードで、WindowsAndroidiOSそれぞれのモードに切替が可能でWindowsモードの場合は上部のキーが通常のファンクションキーとして動作してくれるようになっており、反対にAndroidiOSの場合はマルチメディアキーとして動作してくれるようになっている。さらにタブレットスタンド機構も備わっていたため、キーボードドックの置き換えにちょうど良い商品であると思い購入した。が、結果から言うとファンクションキーの動作は良かったのだがスペースバー右側の二つのキー、ブラウザを起動してくれるボタンとブラウザでホームに設定したサイトを開いてくれるキーがあまり有用とは言えず、タブレットスタンド部分も少々貧弱であったため8インチサイズのタブレットならともかく10.1インチのT100TA向けとしては常用する気になれない頼りなさでしかなかった。ただし、タブレットスタンド機構は別途スタンドを用意すれば良いだけで、キーボードとしての出来は前述のキーの使い道がないという点を除けば非常に綺麗なUS配列キーボードだし、値段が少々お高いだけあって製品の出来自体は良かったため、しばらくの間はこれを利用することにした。

 

 

 

キーボードの話 その2

 Majestouchが不調になって代わりのキーボードを探し始めたとき第一の条件がUS配列なのは当然として、テンキーレスのものであることを第二の条件とした。テンキーは付いていれば大量の数字を入力するような時に使わないこともないのだが、普段はアルファベットキーの上にある数字キーで入力する事が殆どであったため、マウスの位置が遠くなるデメリットの方が大きいと感じていたためである。

 

 しかし、US配列でテンキーレスのキーボードを探すというのは想像以上に困難なものであった。そもそもUS配列のキーボードの選択肢が少ない上に、テンキーレスともなるとほぼ存在しないも同義であった。昨今ではそれまで使っていたMajestouchをはじめ、かの有名な東プレのRealforceにもUS配列テンキーレスがラインナップされているし、その他にもちらほらと見かける程度に種類は増えているのだが、自分が探していた当時はMajestouchは先述の通りキーボード本体の仕上げが好みではなくUS配列テンキーレスも発売されていたか記憶が定かではない。RealforceのUS配列テンキーレスモデルもまだ国内では流通していなかったように思う。後述するがキーボードを新調してしばらく経ったのちに発売されてRealforceも買おうか迷ったように記憶しているからだ。

 

 US配列でテンキーレスのキーボードを探して廻り少ないながらもいくつかは見つけることが出来たのだが、その大半が標準的な配列のフルキーボードからテンキーをそぎ落としたシンプルな配列のものではなく、テンキーをそぎ落とした上でエンターキーの右側にある各種キーを無理矢理エンターキー廻りに押し込んだ所謂変態配列と揶揄されるようなものばかりであった。あまりにも標準的なものが無さ過ぎるのか、情報収集をしている過程でフルキーボードから自力でテンキー部分を切断してシンプルな配列のテンキーレスキーボードを自作する兵を発見する程であった。

 

 至極当然のことではあるが、アメリカ等のサイトを見ると当たり前にシンプルなUS配列テンキーレスキーボードが販売されており、それらが購入できればと思っていたものであるが、当時は個人輸入に関する知識もなかったため踏ん切りが付かなかった。しかし、日本国内で気軽に購入できるわけではないだけでモノ自体は存在するならオークションで売られているのではないかと思い立ち、そちらで探してみたところ新品は見当たらなかったが、中古品でそれもかなりの古い機種のモノが売られているのを発見し決して安くはなかったのだが求めている条件に完璧に合致するモノを初めて見つけられた喜びも有り即座に落札した。それは当時の自分は知りもしなかったが、伝説の名機と謳われるIBMのMODEL Mシリーズの省スペースモデルSpace Saver 1393278 だったのである。

 

 Space Saverという名前のキーボードは、US配列テンキーレスキーボードを探し始めた当初に既に目にしていたのだが、そちらはSpace Saver Keyboard IIという当時の現行品で確かに割と綺麗な配列のものではあったのだが、PrintScreen、Scroll Rock、Pauseのキーがある位置にLEDが配置され、その分下側へキーがずらされているという惜しいながらも致命的な詰め込み方がなされていて選択肢から除外していた。しかしその祖先とも言うべきSpace Saver 1393278 は文字通りフルキーボードからテンキーをそぎ落としただけの完璧なUS配列テンキーレスキーボードであり、まさしく自分が求めていた理想のキーボードだったのである。

 

 第一にUS配列、第二にテンキーレスという条件でキーボードを探していたが、諦めていた第三の条件にメカニカルスイッチを採用したキーボードが望ましいというものがった。しかし、ただでさえ選択肢などないような状況でそこまで求める事も出来まいと条件から外して探していたのだ。そんな中で見つけたSpace Saver 1393278 は、厳密にはメカニカルスイッチとは違うがバックスプリングスイッチというIBM MODEL Mシリーズ独特の、押し込み感と反発感が強くジャキンジャキンと騒音を立てるような機構を採用していた。その感触は、何故か初めて購入したUS配列キーボードの感触を彷彿とさせるモノであった。あのキーボードはせいぜい2千円程度の安物キーボードであったし、絶対にバックスプリングスイッチなどではなかったはずなのだが、惚れ込んでいたあの感触を思い起こさせてくれるような理想のキーボードに出会ったような気持ちになったのである。

 

 Space Saver 1393278 を購入してからもう10年近く経つが、毎日かなりヘビーに利用しているにも関わらず全くへたることがない。本体裏面に1987年製と記されているため実に30年も前のキーボードなのだが、何の問題もなく動作していまうのである。古いキーボードであるためWinキーがないのが弱点と言えるかも知れないが、自分は元々Caps LockをCtrlに置き換えて左下のCtrlをWinキーに置き換えて使っていたのでなんら問題が無い。このキーボードにして以降、PC本体は数度置き換わっているが今のところキーボード自体を替える予定は無い。しかし、最近はレガシーポートであるPS/2ポートがそろそろ無くなるのではないかと戦々恐々としている。一応PS/2→USB変換器を噛ませば使えるとは思うが、相性問題等も起こりうるので出来ればPS/2ポートには末永く生き残って欲しいものである。

キーボードの話 その1

 自分はJIS配列ではなくUS配列のキーボードを愛用している。巷にあふれるキーボードは大半がJIS配列でわざわざUS配列のキーボードを選んで使うのはあまりメリットは無いし、私物でないPCを使うときにUS配列でなきゃイヤなんて言っていられないので必要に迫られてJIS配列のキーボードも使えるのだが、それでも私用で使う場合はできる限りUS配列のキーボードを使っている。そんなわけでJIS配列とUS配列をどちらも日常的に使っていると、いつの間にかキーボードごとに記号の配置が違っても特に違和感なく打てるようになってしまうから不思議なものである。

 

 そもそも自分がPCを使い始めたのは今は懐かしきPC98シリーズからで、付属のキーボードは現在のJIS配列ともUS配列とも違う独特な物であった。XFERとかNFERとか当時も何に使うのかよく分からないキーが付いていた物だが、私的に最大の特徴であったのがJIS配列に比べて長いスペースバーであった。PC98から自作PCに移行するときに、店頭で販売されているキーボードの大半がスペースバーというよりスペースキーと言った方が良いような短いスペースキーのJIS配列キーボードであった。見た目から違和感を覚えつつ試しに打鍵してみると、親指をやや折り曲げて長いスペースバーの左右に配置していた自分のスタイルではスペースキーではなく変換・無変換キーに親指が位置してしまうという致命的な問題があることが分かった。これはいかんと長いスペースバーを持つキーボードはない物かと探した結果その店舗では一種類だけUS配列のキーボードが販売されており、それを購入したことがUS配列を愛用するようになった切っ掛けであった。ただし、そのUS配列キーボードも今にして思えば標準的なUS配列とは若干異なり、バックスペースキーの左側にバックスラッシュキーが配置されエンターキーが逆L字型をしたものだった。下記の商品そのものではないが、配列的には同じだと思われる。

www.owltech.co.jp

 

 そのキーボードはさほど高くない商品だったがメカニカルスイッチを採用していたらしく、打鍵するときのシャキンシャキンというやや五月蠅いくらいの音が大変気に入っており、結局壊れてしまうまで4年ほど愛用していたと思う。壊れてしまった後は当時発売され始めたばかりだったFILCOのMajestouchの茶軸モデルを購入したのだが、打鍵感はそれまで使用したいたものと比べると若干物足りなく感じられ、キーボード本体のザラザラというかシャリシャリというか、ともかく感触があまり好みではなかったが、それまでの2千円くらいのキーボードと違って1万円を超える商品だったため我慢して3年ほど利用した。しかしチャタリングが発生するようになってしまった事もあり、買い換えることにした。

www.diatec.co.jp

T100TA その2

 実際にT100TAが届いて最初の感想は、想像していたよりずっしりとした重みを感じるというものだった。タブレット部の重量は550gとそれほどでも無いのだが、キーボードドック部分が520gもするのである。HDDを内蔵しているわけでもなく、USB3.0端子が付いているだけのキーボード部分がタブレット部とさほど変わらない重量があるというのはなかなかの重量感であった。しかし何の意味も無くただ重いわけではない。2in1タブレットPCであるが故にキーボードドック部分でタブレットPCの重量を支える必要に迫られてこの重量となっているらしく、実際ドックを分解して内部の鉄板を取り除けばかなり軽くはなるため自分も試してみたのだが、その状態でいざタブレットを接続すると重みに耐えきれずに転んでしまうのであった。キーボードを押さえつけながら打鍵するのはかろうじて耐えられてもマウス操作やタッチ操作時もキーボード部分を押さえつけ続けるといった使用方は現実的ではなかたっため、結局元に戻してしまった。

 

 性能面に関しては、メインの用途である艦これもデスクトップPCのようにヌルヌルサクサクと言うわけには行かないが、遠征作業やキラ付けのために1-1を周回する程度なら問題無く作動することもあり満足のいくものだった。ただし、メモリが2GBというのはやはり若干少なくスワップが頻発するためか、メインで使っているFirefox艦これ以外にWeb閲覧などをしているとつっかかりを感じる事が多かった。記憶領域のeMMCは古いHDDよりは軽快に動作するとは言え、普段はスワップなどほぼ起こらない上に、仮にスワップが発生してもeMMCより数倍早いSSDを搭載しているPCを利用している身としては気になる部分ではあった。この辺りは同時に複数の作業を切替ながら行っていると発生しやすいため、できる限り一つの作業に集中して切替動作を少なくすることで対処する以外にはなかった。

 

 記憶領域が32GBしかないというのはやはりかなり少なく、Web閲覧と艦これ程度しかしないためFirefoxATOKNortonくらいしかソフトウェアはインストールしていないにも関わらず最初から残り領域が10GBを割り込んでいた。もっとも、昨今はクラウドストレージも色々と選択肢があり無料でもあれこれ使えば数十GBの容量は確保できるしmicroSDカードスロットも搭載されいるため、仮にOfficeソフトをインストールして書類仕事にも使おうとしても記憶領域が無くて詰むというようなことはなかっただろう。余談ではあるが、当時大流行していたドラマ「半沢直樹」の名台詞にかけて「32GB倍返し!キャンペーン」という、32GBモデルのT100TAに32GBのmicroSDカードを付属するというキャンペーンをやっていたため、32GBモデルを買ってもT100TAの用途を考えれば保存領域の少なさで困る人はあまり居なかったであろう。

 

 T100TAのタッチパネルの精度に関してはそれほど気にならなかったが、そもそもWindows8自体がタッチ操作を念頭に置いて作られていると言いつつ、実際にタッチ操作だけで使いこなすのは不可能に近いレベルの出来であった。特に既存のアプリケーションを使う場合はタッチで操作することも可能ではあるものの、細かい部分でタッチ操作のみでは扱いづらい部分が多く結局マウスとキーボードを用意した方が快適なことが多かった。ではストアで提供されるタッチ操作向けのアプリケーションはどうかというと、こちらはそもそも絶対数が少ないことから使おうと思うようなものが見当たらないという有様であった。結局のところWindowsタブレットのポジションはiPadAndroidタブレットのそれとは違い、小回りの利く小さなPCでしかなくタッチ操作だけで気軽にWebの閲覧やカジュアルなゲームをプレイしたいといったライトユーザーに売り込めるような代物では無かったのだろう。

 

 用途が限定されるスペックのT100TAではあったが、ゼロスピンドルPCが4万円弱で買えたと言うことが個人的に衝撃を受けた。ゼロスピンドルPCとはその名の通りスピンドルがゼロ、回転構造部分が存在しないPCのことでり、PCにおけるスピンドルとはHDDやCD/DVDドライブのような記憶装置と冷却ファンのそれを指し、これらが搭載されないというのは10年ほど前には考えられないことであった。しかし高性能で安価なフラッシュメモリが普及しモバイル向けのCPUはファンを搭載せずに済むレベルの消費電力でもそこそこの性能を確保できるようになったこともあり、これらを採用したゼロスピンドルPCが市場に登場するようになった。しかし出始めは非常に高価なもので、更に性能も向上したとは言えやはりまだまだ通常のものと比べるべくもない低スペックのものであるにも関わらず安くとも10万円台半ばから30万円を超えるものも少なくなかった。EeePCなどの超々低価格路線のものも存在したが、メインの記憶領域は殆どOSが入るだけといったレベルのものであった上、先述の通りWebの閲覧すらかなりのストレスを感じるものでしかなかったため、T100TA等の3万円台から買えて実用的な性能を発揮するBay Trail搭載タブレットPCの登場は非常に衝撃的だったのである。

T100TA その1

 艦これ用のタブレットとして2年ほど前に購入したWindows8搭載の2in1タブレットPCであるT100TA。記憶領域は32GBと64GBのモデルが有り付属のキーボードドックに500GBのHDDが内蔵されていてOfficeも付属しているモデルも存在したが、外出先で艦これ、それも遠征作業をしたいだけだったので32GBかつHDDの付属しない下位モデルを選択した。

 T100TAに搭載されているCPUはIntelAtomシリーズのものであるが、Atomと言えば出始めの頃は本当に最低限Windowsが動く程度の性能しか無く激安ノートPCやサーバー向けの小型PC、マザー等に搭載されており、実際に触ってみた感じWebの閲覧ですらかなりストレスを感じるが出来なくも無いといった貧弱なCPUであった。それこそ、Atomを採用したWindows搭載PCでWebを閲覧するよりも、画面は小さいながらもスマートフォンで閲覧する方が快適であったほどである。

 

 Webの閲覧ですらストレスとなるAtom搭載のT100TAが発売前から艦これ用激安Windows搭載タブレットPCとして注目されたのは、搭載されているAtomがそれまでに比べて格段に性能が上がったBay Trailというコアのものだったからである。従来のものと比べて2倍から3倍性能が向上したBay TrailコアのAtomはそれまでのWeb閲覧すらモッサリ動作なAtomとは違いFlashゲームのようなそこそこ重いコンテンツでもそれなりに動作するようになった。Bay Trailコアを採用した各種Windows搭載タブレットPCは当時爆発的なブームを起こしつつあった艦これ用として非常に相性が良く、持ち運びが容易で外出先でも艦これを安価に楽しむために購入する人が多かったし、自分自身もそのうちの一人であった。

 

 Bay Trail搭載のWindows搭載タブレットPCは様々な種類が発売され、艦これ用としてはどちらかというとAcer ICONA W4-820やDELL Venue 8 Pro、Lenovo Miix 2 8といった8インチモデルが人気だった記憶がある。艦これ用として求められていた最大の要素は持ち運べるプレイ環境であっただろうから、当然コンパクトな方が選ばれていたのだろう。では何故自分が10.1インチモデルのT100TAを選んだかというと、小さい画面でのタッチ操作が苦手だからである。T100TAを購入する前からスマートフォンのタッチ操作で意図している部位をタッチできずにイライラすることがとても多く、できる限り大きい画面の方がタッチ操作も簡単だろうという目論見でT100TAを選択したのであった。また、視力もかなり悪く小さい画面を見るのは辛いので、携帯用であってもできる限り画面は大きい方が好ましかったというのも一つの理由であった。